憧れの人。

長く生きていれば、心に深い傷の一つや二つ、誰でも抱えているものだと思います。
普段は記憶の彼方へ追いやっていたとしても、
何かの折りにふとその痛みが襲ってくる事もあるのではないでしょうか。
傷が深ければなおさらですね。

かくいう私も、人生においてなかなか拭い切れない傷をいくつか抱えております。
過ぎ去った事とはいえ、そう容易く忘却の彼方へ追いやれるほど簡単な話ではないものです。

しかしつらいからと言って、そんな過去の悪しき思い出なぞ家族にこぼしては、
単なる年寄りの愚痴話となり、皆に嫌がられるのは明らかでしょう。(^_^;)

はて、それではこの終わりなき苦しさはどうしたものか。。
と、じくじく痛む胸を抑えながら、
私は昔からの憧れの人の歌をYouTubeで聴く事にしました。

「帰らざる河」。。往年の名画ですね。

その同名の挿入歌もまた言わずと知れた名曲です。
私は昔からマリリン・モンローが大好きでした。
いえ、好きとかファンだとかいうのとはちょっと違う感覚なのですが、
それをここで説明するのは難しいので、
ここでは「憧れの人」という表現にしておきます。

先日たまたまYouTubeで「帰らざる河」のワンシーンを切り取った動画を見つけました。
マリリンが憂いに満ちた表情で、切なく歌い囁きます。

no return no return 。。

今も全く色褪せる事のない美しさで、
スクリーンの向こうで瞳を翳らせ歌う彼女は、まさに慈愛の女神。
深い傷の痛みに苛まれる私の心は、
優しきマリリンの歌声にじんわりと癒されていくのでした。。

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